夏祭りの事情

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佑哉さんって最初っから自分勝手だったよね。人の話聞かないし。 でも、優しいんだよ。 初めて佑哉さんのアパートに泊まった時も。 佑哉さんが言ってた通り、社長が心配してたのも頼むって言ったのも本当だけど、まさか佑哉さんがアパートに泊めたとは思ってなかった。 と、後から礼子さんに聞いた時はとても驚いた。 「ほれ。出来たぞ。ん?ど~した?」 「え?ありがと。クスッ 佑哉さん優しいなって思ってたの」 「優しい?ん~、亜紀限定だけどな」 「ワタシだけ?他の人の髪を乾かしてやったりとかしなかったの?」 佑哉さんは目を細めてフッと微笑む。優しくワタシを抱き締めると耳元で 「するわけねぇよ。俺がなんでもやってやりたいと思った女は亜紀だけだ」
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