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「ふぅ~ん、あっそ。そんな簡単に諦めちまうぐらいの夢だったんだ。………つまんねぇ女」
人を馬鹿にした態度で鼻を鳴らす
ムカつく!簡単に諦めてなんか全く無い。
女性が多くなったとはいえ、ほぼ男だらけの業界。苦手なのを頑張って耐えていたけど『夢』より『苦痛』が勝ってしまったんだもの。しょうがないじゃない
俯いたまま唇を噛み締めた
「おい、携帯」
「……なんですか!」
ギロッ!と睨み付けると山下さんは飽きれた顔で、テーブルに置いた図面一式をトントンと指す
「バカか。連絡先わかんなきゃ困るだろ」
「それは佑哉さ」
「そんなことにも専務を使うのか」
「……ハイ、どうぞ」
腹が立つけどしょうがない。嫌々連絡先を交換する
コンコン
「悪いな、やっぱり戻んなきゃマズイみたいだゎ。 亜紀、帰るぞ」
「分かりました!帰りま」
「いや、まだ終わってないぞ。専務、浅倉は俺が送っていきますよ」
え!?
パッと山下さんの顔を見ると胡散臭い営業スマイルで佑哉さんを説き伏せている。
「いや、亜紀は俺が連れ」
「心配しなくても大丈夫ですよ、専務。浅倉は俺のカワイイ元後輩ですから、コレが終わったらちゃんと送り届けますって。な、浅倉」
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