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この二人は50代のベテランスタッフ
「佐倉さんは新規の人を送ってきたんだよ。で?家ん中どうだった?」
「ちょっ、和子さん、新規ってなに?聞いてないよ」
「昨日 理事長のとこ民生委員が相談に来てね、今日から通いが決まったの」
「「もぅ凄かったんだから!」」
相当凄かったようで二人は興奮して話し出す
「朝、ケアマネと理事長に連れられて来た時悪臭はするわ、見た目仙人だわ、この暑いなかボロボロのトレーナー姿でバイタル測る前に即効風呂に連れていったわよ」
「服から下着からもぅドロッドロ!少ない髪もドロッドロのボッサボサで髭も延び放題!二人係りで洗ったけど、泡が起たない、起たない!全身3回は洗ったね」
興奮して話す内容にかなり引いてしまった
「その人の家族は?」
「息子さんは東京。奥さんは7年前に死別なの」
「ってことは独居なんですね。家ん中上がりました?」
そんな状態の老人宅を想像し、ゾワとした
「・・・整理整頓はしてあったよ。元々几帳面なんだろうね~
でもね、掃除は出来ないから酷い悪臭。居間は特に酷かったな。
こたつ出したまんまで、多分定位置かな?尿が染み込んだ座布団が一番キツかった…………」
佐倉さんは自分の腕をわしゃわしゃと擦りながらブルッと体を震わす
和子さんとワタシはゲンナリした表情で聞いていたけど、これからの事を想像するだけで鳥肌がたつ
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