プロローグ

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『club ASCH』 扉を開けると重低音が腹に響いてくる。 チラホラと踊っている人もいる。幾つになってもこの雰囲気は心が動く。 今日はイベントのため人が多い。 「源さん!」 「佑哉!久し振りだな」 「はい。今日からこっちです。」 「そうか、もう30になったのか!親父さんとの約束だったもんな。 いい日に帰ってきたな」 「アリサさんのイベントって聞いたんですけど何やってんですか?」 「知らなかった? ベリーダンス!まぁ楽しんでけ」 ニヤリと笑い他の友人の元へと歩いていった。 昔、源さんに教えてもらいDJをかじってた俺達はあちらこちらで声を掛けられ楽しんでいた。 曲が止む。 オリエンタル衣装を身に包んだ女達がホールへと歩いてくる。 曲が鳴り響き妖艶な動きで回りの人間を魅了する。 何曲目か。 センターに躍り出た女から目を離せない。 ちょっと低い身長、豊満なバストにキュッと引き締まったウエスト。スラッとした足と曲に合わせて揺れる腰・・・ 胸元まである艶やかな黒髪は動きに合わせて波打つ。 気が強そうな猫目にクイッと上がった口元・・・ 「矢野~あのセンターの子知ってる?」 「あ?あぁアキちゃんね、わかるよ。山岡の好きそうなタイプだもんな でも、あの子はダメだぜ」 不敵な笑いで彼女を眺めてる。 「何で...まさかお前の彼女かよ?」 「まっさかぁ~!違うよ! どんなヤツでも相手にしないんだよ。源さんかアリサさんに紹介してもらえば?」 ニヤニヤしながら矢野はカウンターへと行った。
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