転校生

2/43
前へ
/73ページ
次へ
 私、立川優希は今日から高校三年生。それなのに、初日早々寝坊した、最悪だ。朝ごはんを食べず、髪もボサボサのまま家を出た。 「はぁっ、はぁっ、ギリギリセーーフ!」  間に合った… 「優希、おはよー。髪ボサボサだね、整えてあげるからここ座りな」  声をかけてきたのは、親友の佳織だ。私は佳織の前の椅子に座り、髪を整えてもらった。 「なんだー、寝坊したのか?優希らしいなー!あははは!」  横から笑ってきたのは、男友達の陸人だ。 「べ、別に寝坊じゃないし!」 「はははっ、嘘つけえー」  そんな会話をしてるうちに、先生が来た。 「SHR始めるから、席につけー!…今日はお前らに転校生を紹介するぞ、入っていいぞ」  ガラガラガラッ、ドアを開ける音が教室に響いた。 「成宮 昴(なるみや すばる)です。よろしくお願いします」  顔立ちもよく、綺麗な黒髪、大きな瞳で一瞬硬直してしまった。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加