ひとつだけ、君に言葉を贈らせて

転校生

「席はそーだなー…立川の後ろに行ってくれ」

　私の後ろの席だ。

「よろしく」

　ニコッと微笑えんできた。私も慌てて「よろしく」と返した。

　SHRも終わり、陸人が一番に昴の席に駆け寄った。

「俺、長谷川　陸人、えーっと、昴くん、よろしく！」

「昴でいいよ、よろしく」

　グイグイくる陸人に動揺しない姿勢に、少しばかり感動した。

　それに続いて、佳織も自己紹介したので、私もそれに乗るようにした。

「あたしは本田佳織、よろしくね」

「あっ、私は立川優希！よろしくね！」

「うん、よろしく」

　またもニコッと微笑んできて、可愛らしいなと思った。

　昴は、転校初日でクラスに打ち解けていた。