6/10
前へ
/75ページ
次へ
 講義中に室内を見渡し、彼の姿を捜した。キャンパス内を移動する彼を目で追った。お抱えの料理人が作る高級な弁当を持参するのをやめて、彼と同じ学食で毎日昼食を取るようになった。すれ違うたびに、彼の方を振り返った。彼のことを考えるだけで、胸が高鳴って落ち着かなくて。  恋をしたのだと、思った。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

548人が本棚に入れています
本棚に追加