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 メールの差出人は考えるまでもなくわかりきっていた。彼女は仕事用とプライベート用で別々の端末を使っている。今手にしているのはプライベートで使うもので、この端末にメールを送れる人間は一人だけだ。  素早く端末を操作してメールの内容を確認する。作文のような長文の、読むのも面倒になりそうな夫からのメールを、彼女は食い入るように見つめた。
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