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一人暮らしをしていたときと同じだ。自炊すると一人前の量がうまく作れず、次の日も同じものを食べることになってしまう。以前から当たり前だったことが結婚した今も続いている、ただそれだけのことなのだ。
自身にそう言い聞かせて、彼は夕食の残りを冷蔵庫にしまった。
流しに向かい食器を洗い終えて、食器用洗剤の残りが少ないことに気が付いた。買い置きの詰め替えボトルは廊下の壁収納の中に置いてある。
シャワーを浴びたばかりの彼女と鉢合わせする可能性を考えて、彼は少しだけ廊下に出るのを躊躇った。
正直言って、シャワー直後の彼女と対峙するのは気まずかった。夕方に彼女の可愛らしい下着を見たとき、若干だが興奮してしまった。
契約上の関係とはいえ、彼が彼女に想いを寄せていることに変わりはない。身体の関係をもつことだって考えることはあるわけで。
熱いシャワーで火照った彼女の身体を見て彼が欲情してしまったとしても、正常な男として仕方のないことだろう。
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