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「失礼します。まだお帰りになられていなくて助かりました。先日の重要案件でトラブルがあったようで、どうしても社長の指示を仰ぎたいとのことです」  感情を読み取れない表情のままでそう言うと、秘書は整然とまとめられた報告書の束を彼女に手渡した。  書類に目を通しながら心中で溜め息をつき、彼女は思った。  今夜も帰れそうにない、と。
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