#2「歩美の朝」

1/1
前へ
/4ページ
次へ

#2「歩美の朝」

ピピピピピピピピピピ・・・・・・ 「ふぁ・・・・・・。」 (眠いなぁ。  えっと・・・・・。  月曜日か・・・・・・・。) 眠気からくるあくびを噛み殺しつつ、1階に降りる。 (きょうは、トーストか・・・。) 「ふぁ・・・・・・。うぅ、眠い・・・・・・・・。」 朝ごはんを終えてもなお残り続ける眠気を噛み殺しつつ、制服に着替える。 確か・・・・・・・今日は何かがあるって先生言ってたな・・・・・・・。 なんだっけ・・・・・・・・。 うーーーーーーーーーーーん・・・・・・・・・・・・。 そんなことを考えていたら、着替え終わったので、カバンを持つ。 机に置いてある時間割とカバンの中身を照らし合わせる。 (あ、今日歴史がある。危なかった・・・・・・。) 歴史のノートを入れて、再度確認する。 カバンのチャックをしめた後、部屋を出て階段を下りる。 「お母さん、いってきまーす。  ・・・・あ、お父さんも、行ってきます。」 「いってらしゃい。」 「ああ、いってらしゃい。」 珍しくリビングにいたお父さんにも挨拶して、家を出る。 春、出会いの季節。 新しい出会いがほしいとは思わないけど、再会はしたいと思っている。 たとえば、 ・・・ヒカル君とか。 また、会えないかな。 いつも思ってる。 もし会えたら、何から話そう。 商店街に新しい店ができたこと、私に新しい友達ができたこと、5回ぐらい告白を受けたこと・・・・・・・・・。 話すこと、いっぱい、いっぱい、あるから。 早く、「帰って」きてね・・・。 ヒカル君。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加