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野菜・イートインスペース・植物とそれぞれコーナーも分かれていて見やすいし、苗を買った人には育て方のチラシが袋に入れてあり親切だ。
質問がある人は店員さんというか、生徒に気軽に聞けるようにコーナーを設けられていて、女性を多く配置してるので声も掛けやすそうだ。
社長はリーダーを荷物役にして次々と苗や野菜を買っていたが、もう終わりかと思ったのにワザと質問コーナーに行き女子と話を始めだした。
「ダメだ、あのエロ狐……長引きそうだな」
目的が新種の作物から女子へシフトされた狐を待ってもキリがないので、ヨダレを垂らし始めている王子達と何か食べようと屋台の方へ歩き出した。
『……うん?なんで』
野菜や苗は女子が多く普通だったのに、美味しそうな匂いの屋台は忍者服を纏った男性達が調理していた。
バジルの焼きそばやハンバーグのホットサンド、オニオンリングの他にも沢山あり迷いそうだ。
まず焼きそばとオニオンリングを買って端の方で食べたら、次はスイーツを狙おうと企んでるので吟味する為に屋台が見える範囲に座る。
バジルの焼きそばは、美味しい上にパスタとは違い、きちんと『焼きそば』になってるのが小憎い。
女子は行列を作っていたので『おかわり」は諦めたが、スイーツのエリアも大繁盛でかなり待つようになる。
仕方ないので作戦をかえ、飲み物を持って屋台の裏から物色し空いたところを狙おうと考えた。
「――隊長、どの部門も大成功で完売しそうです」
「慌てるでない!ウチらのクラスは今日だけだし、食材は畑になんぼでもあるだろ。苗を買う奴は本気だから可愛い姉ちゃんを説明に回し、金持ちにはガンガン売って貰おう」
忍者服といい、このやり取りの声といい思い当たるのは一人しかいない。
ミーティングらしき輪にこっそり近づいてみると次は屋台の話のようだ。
「女性客はバジル、アボカド、オーガニックのキーワード外してないだろうな?」
「もちろんです」
「男性客のキーワードは、言わずとも分かるな!さぁ皆もうひと頑張り……」
完璧に制服から忍者探偵Xに影響されているが、特に皆が抵抗もなく着ているのも驚いた。
「……姉さん?!」
一瞬だけ目を見開いたが、すぐにニヤリと口元に上げたので『変な事には巻き込まないで』と意思表示はしておいた。
その後はいつもお話になってますと、家族用の定番挨拶をしつつ忍者達をチラ見していた。
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