言い訳の女子会

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瑠里は元大蛇を抱えすぐ潜ったが、私は最後に回りゆっくりと振り返る。 神話ではいつも大蛇は悪役。 「もし……家族に危害が加わるようなら遠慮なく消します」 「そうはなりませんよ。どちらかと言えば貴女も同士な匂いがします」 「まぁ般若と言われてるんで神楽上は仲間かもしれませんが、実際は村娘レベルですから」 イケメン兄ちゃんが小さく吹き出したので睨みを利かせた。 「術も使わず大蛇を八匹も連れて来るなんて尋常じゃありません。私達は恐れられる反面、力を利用される事もあるので慎重なんです」 山金犬と初めて出会ったのも、蜂の世界で田村さんが転落した地下の檻で売買用に捕獲されていた。 毒針を打たれて動きを封じられ痛々しい状態だったのを覚えている。 「黒術には大蛇を操る力もあります。使い様によっては最悪な結果になるでしょう。私達も今回の件で対処が必要になりました」 端整な顔立ちで目が光って見えると、ゾッとして変な身震いが起こる。 やはりトップに立つ者はどこか恐ろしさを持っていると訂正を加えておきたい。 凱もそうだが、化け物の頭になるにはそれなりの素質がないと無理らしい。 「じゃあ私はこの辺で……お時間頂き有難うございました」 怖い者には逆らわない方がいいと学習してるので、丁寧に挨拶をしてからその場を去ろうとした。 「色んな力を併せ持ってるんですね、面白いし吸い込まれそうになるあの子の気持ちも分かります」 「因みにこの玉って、身体に取り込まれるとかしないですよね」 一瞬目が蛇のように見えて怖かったので、目線を逸らして後ずさりした。 「能力があればそうなりますかね、楽しみです」 見た目で誤魔化されてはいけない、やはりこの人もかなりの悪魔だ。 凱と同じ……もしくは少し上を行ってるかもしれないと手の震えで分かる。 「失礼します!」 大きめの声で自分に喝を入れ、小走りに扉を潜って振り向くと、閉まる間ずっと目を逸らさない塵里にもう一度震えが来た。 「やっぱ蛇系コワッ!執念深そうだし言葉使いも注意しよ……」 消毒の通路を過ぎやっとシャワー室で身体を洗い、着替えを済ませて指示された部屋に向かう。 瑠里はコーヒーを飲んでいたが、大蛇犬は別室で検査を受けているみたいだ。
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