言い訳の女子会

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蘭さんまで欲しそうにしていて、ここで恋愛グッズを売れば金持ちになれるかもと思ってしまった。 おまじない、ジンクス、お守りやラッキーグッズ等があり、どこの世界でも女性は恋愛に関して第三者に(すが)るのがつきもののようだ。 「ハート、リボン、ピンク、綺麗な物って持ってるだけで女子力高い気がするわ」 「追加でいい匂いのする物も付け加えといてって、結局何飼ってんの?」 ダリさんは勿体ぶりながら咳ばらいをすると、ヒソヒソ声で話し出し思わずみんな頭を寄せ合う。 「広いから出してもいいかな?長さ十五メートル位の竜なんだけどね」 「いやっ、ヤバいと思います!」 こんな和やかな風景で急に竜とか出されても、みんなパニックになりそうだ。 男性でも命の危険を感じて逃げ惑うだろうが、ここには失恋で既に傷ついてる女性しかいない。 「百合怖い?ちょっと火を噴くけど私らの世界じゃそんな珍しくないよ」 「火って……地獄絵巻みたいな光景しか思いつかないんですけど」 「ぷっ、百合おもしろ~い!」 こっちは真面目に答えてるが、パンチパーマのゴリラ女子達はツボにハマったようで、涙を流しながら笑っていた。
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