01 スライムにでさえ勝てない虚しさ

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 そして俺は、奴隷商人に売られた。  手を縛られ足には重い鉄球を着けられ牢に入れられた。 「兄ちゃんも売られたのか?」  無精髭の兄ちゃんに声をかけられる。 「そうみたいです……」  俺は、ため息混じりに答える。 「はははは……  幾らで売られた?」 「500ゴールドらしいです……」 「安いなぁ。  俺は550ゴールドだ」 「そうですか……」  あんま変わらない。  俺は、心の中でそう思った。 「まぁ、こんな生活も暫くすれば慣れるぞ」 「そうなんですか?」 「ああ……  飯も1日2回でるし寝床もある」 「でも、奴隷って重労働とかするんじゃ……」 「それは、売られた先によるな。  綺麗な姉ちゃんの性奴隷にされることもある」 「え?本当に?」  まだ、ハーレムの希望はあるのか…… 「ああ。  だが、お前はイケメンじゃないからそれは無理だな」  一瞬で希望を絶たれた。 「ところでお前名前は?」 「小野寺 昴(おのでら すばる)です」 「小野寺 昴……和の国のモノか?」 「和の国……  まぁ、そう言われればそんな国だった気がする」 「曖昧だな……  俺の名前は、バルド・バレット。  しがない奴隷さ……」  バルドさんは、そう言って笑う。     
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