01 スライムにでさえ勝てない虚しさ

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「奴隷ってどんな扱いを受けるの?」 「あんまいい扱いは受けないわな……」 「ですよね……」  俺は、やっぱり絶望することにした。  やっぱりハーレムは無理だよね。 「にしても、和の国の住人なのに言葉が通じるんだな」 「うーん。  和の国と言うか、異世界かもなのですが……」  俺はとりあえず事情をバルドさんに話してみた。  まぁ、話したからといってどうにかなるとは思えないけど…… 「……そうか、勇者ビシャスに捕まったのか」 「知っているんですか?」 「うーん。  俺らの世界では有名だからな。  勇者王の娘ビシャス。  そのパーティーも勇者王とその仲間たちの子孫だ。  魔王を倒す旅をしていて、腕もそこそこある。  だが、あまりいい噂は聞かない。  奴隷商人と繋がりがあるしな……  男だけじゃなく女も結構奴隷商人に売られているみたいだしな」 「そうなんですか?」 「ああ……  女は、ほぼ性奴隷で飼い主が飽きれば殺される。  そんな人間を嫌というほど見てきた」 「……キツイですね」  ハーレムがどうのこうの思っている場合じゃないな。  俺は、そう思うとため息をついた。 「おいおい。  そんな暗い顔をするな。  俺らは、もうじき自由になれるぞ?」     
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