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02 ギルドに加入しても足手まといな虚しさ
そして、俺はギルドに入ることにした。
ギルドの名前は、パンドラ。
傭兵ギルドらしいのだが、中にはいってみると一種のコミュニティみたいなものでそこで生活をしている人も多くいる。
それどころか、子供もいた。
「さて、昴。
お前は、なにが出来る?」
バルドさんが俺に尋ねる。
「え?」
俺は返答に困った。
俺になにが出来るか……
それは、俺にもわからない。
「この世界にくるまでは、なにをしていた?」
「えっと、軽作業やパソコンで事務などのバイトをしていました」
「パソコン?」
バルドさんは、首を傾げる。
「聞いたことがあります。
異世界では、計算などをする機械のことですね」
ミズキさんが、そう言ってメガネを光らせる。
「機械か……」
バルドさんが、口元に手を当てて考える。
「パソコンなんてないですよね……」
俺は、ため息混じりに答えた。
「ないな」
バルドさんが、即答した。
俺が、人並みにできること。
それは、パソコンだ。
だけど、この世界にはエクセルやワードどころか……
パソコンがない!
異世界に行ったらパソコンスキルは役に立たない。
それを痛感した。
「暫くは、子供たちの相手をしてもらうなんてどうでしょう?」
ミズキさんが、そう言ってバルドさんの方を見る。
「子守か?」
「はい。
異世界では、ひきこもりと呼ばれる存在がいて、それらの多くはパソコンが得意だったと聞きます」
ミズキさん、ひきこもりと子守は違うから……
確かに俺はひきこもりだったけれど……
「ほう、昴。
お前は、ひきこもりだったのか?」
「ええ、まぁ……」
俺は、泣きたくなった。
泣いてもいいですか?
「よし!決めた!
昴。お前は今日から子守の仕事をしろ!
子守は常に人手不足だ。
きっと保育士の女たちは、喜ぶだろう。
お前は、これからひきこもりの昴だ!
素晴らしい二つ名じゃないか?」
待って、バルドさん。
それ、痛いから……
「流石兵長。
素晴らしいです」
ミズキさんも、それに同意した。
そうして、俺はひきこもりの昴としてこの世界で生きていくことになった。
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