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「じゃあ、姫野と薫。俺は執事ーズを連れて帰るわ。二人でゆっくり過ごしな?」
「言われるまでもない。今日一日は姫野をたっぶりと甘やかしてやる。」
「薫が言うと卑猥だな。」
「卑猥? 遥兄どうして? 高藤さんは紳士だよ?」
「そう思ってるのは姫、お前だけだよ。薫は野獣だ。」
そう言いながら、遥兄は私の頭をくしゃくしゃっと撫でた。
「野獣? とても優しくてステキなのに。遥兄みたいに意地悪じゃないよ?」
くしゃくしゃっと撫でてた手は高藤さんの手によって遮られる。
「あんまし俺のものに触れないでくれるか? 例え遥が従兄妹と判っていてもいい気がしないんだけど?」
「薫はお前の前だと大っきな猫被ってんだよ。こんな独占欲の強い奴だぜ?」
「それは、遥兄が私の髪の毛くしゃくしゃっとするからだよ。今、高藤さんは執事だよ?」
「姫は盲信だなー。騙されっぞ? 」
「遥! 人聞きの悪い事言うな。騙さねーよ!」
「俺の元から掻っ攫うんだからこれくらい言っても良いだろ?」
「挨拶はちゃんとする。それでいいだろ? あと、おじさんおばさんに言っといてくれ。近々承諾の挨拶に行くって。」
「だーかーらー、姫の意思を汲めって! お前一人で突っ走るなよ。まだ、姫の気持ちがついて行ってないだろ! 姫?薫と結婚する気ある?」
「け、結婚!? 私達付き合い始めたばかりだよ?」
「ほら! 結婚が視野に入って無いじゃないか。」 「姫野、俺は結婚前提で付き合っているつもりだ。お前は?俺と結婚したくない?」
「そ、そんなことないです! だって、高藤さんは私の初恋だし…。」
「じゃあ、今すぐにでも市役所に紙出しに行こう。証人の欄には遥に書いてもらおう。」
「こら! だーかーらーっ! 一人で話を進めない!ってんだろがっ! 人の話を聞けー!」
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