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「俺はホントは付き合いすっ飛ばして結婚したかったんだ。誰かに付け込まれる前にモノにしたい。」
「ほんと薫は野獣だな。そんなんじゃ、従兄妹はやれない。」
「そう言うと思ったから、結婚は待ってんだよ。姫野に決心がつくまで。本音ぶっちゃけたから、俺の本気覚悟しろよ?」
「は。はひっ。」
「もう、誰にも渡さない。遥! やっぱり今から挨拶に行くって連絡入れて。」
「おい。少しは常識を持て。流石のうちの親でも今からは…。」
「おじさんとおばさんはそんなこと気にしない!俺、昔おじさんとおばさんに宣言してたから。すんなり行くと思うよ。」
「マジか! 根回し済みかよ。ちょっと待ってろ。今、連絡する。姫、少し外すな。」
「はい。遥兄いってらっしゃい?」
電話片手にいそいそと部屋の外へ向かう遥。
ドアを出る前に電話が繋がったのか話しながら出て行くが見えた。
「高藤さん、ほんとに挨拶に伺うんですか?」
「ああ。大丈夫、心配はいらない。反対はされないから。君を貰うことは随分昔に話してあるからね。」
「昔から?」
「そう。君と初めて出会った時かな?」
「え! それって、私が幼稚園くらいじゃなかったですか?」
「俺は小学生だったね。まさか、自分でもここまで執着するとは思ってなかったけどね。それだけ、君は俺にとって特別なんだよ。」
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