第1章

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「今は結婚して新井なの。三重から来たのよ」 「三重? 遠いなぁ」 「懐かしい東京観光して帰るつもり」  その後、佑志は三年生の時のクラスメートの他、一年や二年の時の友人とも話をして過ごした。  立食形式だったため、みんなも自由に会場を歩き回っている。  気づけばまた、新井と話していた。 「ねえ、そういえば覚えてる? 一年生の時のこと。私が高山くんを呼び出して……」 「ああ……あれね」  その出来事こそ、佑志が招待状を見て新井を思い出した理由だった。  新井は楽し気にくすくす笑い、佑志は恥ずかしさで苦笑する。  まだ岩崎だった彼女に呼び出されたのは、使われていない教室で……。
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