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次の日。
私と大神さんは、朝10時から支社の会議に出席し、夕方には帰路についた。
余程疲れたのか、新幹線の座席に座った途端、大神さんは眠りに落ちた。
今、私の隣の座席でスースーと静かな寝息を立てて眠る彼。
その端正な寝顔を眺めながら、私は少し感心していた。
エライなあ…
あれから3人で朝まで飲み明かしたってのに、大神さんは朝にはいつも通りパリっとして、発言もしっかりキメていた。
熊野さんにしてもそう。
これまた朝イチの新幹線で戻り、いつも通りのご出勤。
バカばっかりやってるようでも、社会の先輩方はやっぱりスゴい。
それから更に時が経つと、私の生活はすっかりいつもの日常へと戻っていった。
あんな事があった後でも、ミスばかりしている私に、大神さんは相変わらず手厳しい。
でも…
「赤野、今日こそはハッキリさせて貰おう」
「ど、どうしちゃったんです?係長」
「トーコちゃん、君は一体」
「熊野さんまで……」
「「どっちを選ぶ!?」」
「や、その…
どちらと言われましても」
ずいっ。
にじりよる男二人の迫力に、私は私は堪らず逃げ出した。
「また次回にっ」
「あ、まてコラッ」
追いかけてくる正反対の2人と私。
灰色だった私の社会人ライフは、ちょっとだけ楽しくなりそうだ。
ーおわりー
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