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目覚まし時計が意味なく定刻を告げる。
もっと寝ていたいと思うのだけれども、眠れ無いのは自分のせいだ。
なぜ私は答えを出せないでいるのか。
祐介の事を愛していないのか-
いや、愛している。
彼もまた、私の事を大事に思ってくれている。
今の仕事に未練があるのか-
そんな事は無い、面白く無い訳では無いが、私じゃない誰がやってもいい仕事は、全貌の見えない、正体不明の内容で、始まりも終わりの区別も付かない、改めて考えるとうんざりする程だ。
では、写真の仕事-
昨夜の話の通り仕事って程じゃないけど、楽しいし、生きがいになっている所もあるにはある、ただ、がむしゃらに写真って訳では無く、自分の淡白さが本気の人に申し訳無いと思う位だ。
私への祐介の気持ち-
彼はきっと、私の写真の仕事が、これまで通りにあったとしても、快く承諾してくれるだろう、例え一週間家を空けるとしても。
だったら、彼に付いて行けば良いではないか、写真だけの収入でも彼は文句など言わないだろう、好きなだけ、写真に携わっていられる-
それは都合が良すぎる、写真の為に祐介を選ぶみたいで嫌だし、彼に対しても失礼だ。
それでもきっと、祐介は私から写真を取り上げない、ではなぜ、彼の申し出を拒む-
それは、多分…
スマホにメッセージの受信音がした。
慌てて確認をする。
もしかしたらそこに答えが書かれているのかもと。
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