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「ねえ、あたしの代わりにやっといて~」
ぼそぼそ。
「は? 無理? 包丁の使いかたもわからない? チッ。グルメ対決とかしてそうなのに。なによ? え、隠し味にはチョコレートがいい? ちょっと、通ぶったアドバイス残して消えんな。待て。山岡ー!! 山岡ー!!」
はあ、行っちゃった。しょーがない。自分でしよっと。
ふむふむ、えーっと、こうして、こうやって、えいえい、ふんふん、せいや、おら、おら、どおおりゃあああ!!
ふー、どうにかできたわ。おキッチンって、お戦場ね。
そうだ。せっかくだし、おチョコレートを隠し味に入れちゃおっと。うふ。あたしって、お天才ね。
おチョコレート、どっかにあったかな~。ガサゴソ。あ、あったあった。おチョコレートボンボン。お父さまに渡しそびれたおバレンタインチョコ。このボンボンって響きがいいのよねー、なんだかお金持ちっぽくて。
お包み紙をはがして、きゃ、手がすべちゃった。あちゃー、せっかくのおチョコレートボンボンが床に落ちちゃった。すぐに拾いあげたけど、だいじょうぶかな~。
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