マリ、おジャッジがつけられなぁ~い

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 ピンポーン。あら、おチャイムが鳴ったわ。タカシくんったら、もうきちゃったのね。お早いじゃない。おハッスルしちゃってるのかしら。 「ちょっと、そこのあなた、そのお鍋の火を見といてくれない?」  ちょうどぐつぐつお煮立ってきたから、今、お炎を消したくないのよねー。 「いいよー。あたしが的確な判定をくだしておいてあげるね」  お鍋をお覗きこみながら、ジャッジちゃんがふんふんと下手くそな鼻歌を歌いはじめっちゃった。お鼻くそとか落とさないでよ。  ピンポーン。あー、はいはい。今いきますよー。 「いらっしゃい。タカシくん」 「ふへへへ。こんばんわ! マリたん」  タカシくんはパリッとしたおスーツ姿でお花束を持って、お笑みを浮かべちゃってる。 「さ、あがってあがって。今夜はおカレーパーリーなんだから」 「うん。………………ん?」  お一歩進んだタカシくんの足がお石化したみたいに、ぴたりん、と動かなくなった。 「どうしちゃったの? もしかして、お部屋じゃイヤ?」 「きたなっ。なんだこの汚部屋!! ゴミだらけじゃねえか!」
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