生まれた日を知らない君へ

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俺たちはみんな、『何らかの事情』を持って此処にいる。 育児放棄、虐待。理由があって親と暮らせなくなった奴らが此処には集まっている。 今しがた何処か寂しそうに呟いた、東堂 比美(とうどう ひみ)という少女もまた親に捨てられたひとりだった。 こいつの場合は少し特殊で、ある日突然産まれてまもない状態で、施設の入口に放置されていたのだという。 比美、と殴り書きで名前のようなものだけ書かれたメモが置かれていたそうだ。 苗字のない少女は、ここの施設長の苗字を名乗っている。
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