学園卒業、上に参ります

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 だって一覧表とか言ってもあれ、三桁はある。さらに二年目には覚える素材が増えるらしいよ。  最初は基本的な素材だけだと、教師が笑っていた。  水魔術と闇魔術は初級魔術の派生を習っている。そこら辺は簡単なのだが、詠唱は相変わらず恥ずかしい。  生活魔術は面白いけど難しい。  出来たらいいなをテーマに、自分で魔術を開発している。  これは使う魔力が多いと駄目で、誰でも使えるように考えなくてはいけないので大変だ。  俺は自分が使っている浄化の魔術をテーマにしているが、汚れを分解するイメージで使っているので説明が難しい。  古い角質を取り除くイメージ、って言っても角質がわからなければ意味がない。  汚れを取り除くっていう漠然とした説明だと、今の浄化と変わらないものになってしまう。  角質とか細胞とかを説明するようでは、簡単に覚えられてちょっと便利、という生活魔術とは言えなくなる。  今日もうまく説明できずに授業を終え、魔方陣理論の教室へと移動する。 「ロイド、皮膚一枚剥がれる感じで浄化してみてくれないか?」 「それは……溶けたりしませんか? 詠唱はどのようなものでしょう」 「皮べろんできれいきれい、とか……」 「疲れているのですね。寝る前にマッサージでもしましょう」  やっぱ駄目か。     
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