祝福

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 だって、そうすれば魔法は使えない。努力して生活魔術がやっとになれる。  精霊からの祝福なんて、魔力量で決まるようなものなのだ。余計な力など、不必要だ。 「どうぞ恐れずに、神に貴方の名を捧げなさい」  厳かな神官の声に目を閉じ、俺は祈った。 (捧げる名はない。我、祝福を拒絶する者なり) (……それは世界を拒絶するようなもの。愚かなり……)  声ではない声が、微かに頭の中でしたので驚いた。  赤や茶、透明に青、白に黒に、おお、水色や緑色まで。色とりどりの光が閉じた目の中で浮遊している。  どうやら本当に精霊がいるらしい。 (祝福を拒絶する) (……世界を拒絶するか、幼き者……) (いらん。世界を拒絶しようが、世界に拒絶されようが、お前達には関係がないことを俺は知っている) (……そうか。だがお前は豊富な魔力がある。我らの祝福を受けねば、身を滅ぼすぞ……)  そういうものなのか。  これは困ったと、家族の姿を思い浮かべる。  俺が成人までに死ねば、彼らは悲しむだろう。だがこいつら精霊の祝福も欲しくはない。 (輪廻に属する精霊はいないのか) (……輪廻とは……時と闇、水と風、光だの……) (輪廻の管理者に一番近いのはどれだ) (……不思議なことを……そうだな、闇だ……)     
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