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次々と国や街、村が消えていき、この世界の住人が生存を掛け、種族を越え協力したという奇跡的な時代。
神はそんな住人たちに祝福を与えた。
……正直、最初から召喚に力を使わず住人に与えてろよ、と鼻白んだ。
俺にとって神は敵だ。と言うよりあれはクズだ。
俺の人生ってなんだったんだろうと虚しくなったが、過去は変わらないから思考放棄しておいた。
考え出すとブルーになる。
嫌な記憶を振り払い、母より先に馬車を降りる。
ここは俺が住んでいる屋敷から馬車で四時間の距離にある街で、王都と辺境を繋ぐ道路に面してある。
我が家は主要部から離れた小さめな街の領主をしているのだが、教会にいる神官の徳が低いのでここまで来てるそうだ。
外壁も立派で、入るには審査があるけどうちの馬車はスルー。
この街の領主が父の兄で、仲が良いからだと母が言っていた。
馬で追随していた騎士が、馬車から降りる母の手を取りエスコートをしている。
母は金髪碧眼の美女で、三人も子供を産んだとは思えないほどスタイルがいい。
ちなみに兄も金髪碧眼で、姉は金髪だが眼は紫だ。
父が銀髪紫眼で、俺は父と同じ。
碧眼が良かったのだが……容姿はさすが貴族の美形揃いだ。
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