5歳になりました

4/5
前へ
/420ページ
次へ
 属性か。目を閉じ意識をうちへ向ける。  鬱蒼とした暗い森。太い幹に生えた苔を伝う水。吹き抜ける風が湿った土を撫で、所々に木漏れ日が、って火と時以外とか多すぎだ! 「大きな木が、葉が多く暗いです」 「他にはどうですか?」 「そ……うですね、少し湿っている、かもしれません。他は特に……」 「ふむ。気分はどうですか」 「いいです。暖かくて、安心できます」 「それは良かった。さて、終わりましたよ。貴方は植物と闇に適性があるようです。水も努力次第で少しは使えるでしょう。魔力量もこの年齢では多いです。魔術を学び、制御を覚えた方がいいでしょう。キーマライト様でしたら、教会より家庭教師を呼ぶようでしょうか。お母様と少し話してまいりますので、しばらく休んでいてください」 「はい。ありがとうございました」  一人残ったその部屋で、眉間をぐりぐりと揉む。 (祝福ねーのになんだこの適性属性の多さは!近くにいんだろ精霊!) (……輪廻の縁者か……何を怒っておる……) (適性が多い。火と時以外揃ってたぞ。どういう事だ!) (……魔力量のせいであろう……時もあるはずだ……輪廻の縁者なら闇と時はセットだ……) (そんなセットはいらねーんだよっ、もういい。応えてくれてありがとよ)     
/420ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3099人が本棚に入れています
本棚に追加