10歳です

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 引きずられたまま庭へと行き、柔軟体操をする。 「ご両親が卒倒しますからおやめください。屋敷の外を走る許可も、なかなか出なかったんですよ?」 「よく倒れてたからなー。過保護だと思うが仕方がないか。よし、では行こう」  屋敷をぐるぐる走るのはモチベーションが下がるので、街の外壁に沿って走るコースへ変更した。  外側を走るのは危険だと言われたが、ロイドはそこそこ強いし、騎士も一人ついてきてくれる。  体力をつけるには、やはり走るのがいいと思うのだ。  いざという時にいち早く逃げられる。  一番走るのが遅い俺のペースにあわせ、ぐるっと街を一周する。  息が切れている俺に比べ、散歩帰りのようなロイドと騎士が恨めしい。  屋敷近くにある、騎士の訓練所まで息を整えながら移動する。  軽く柔軟をしてから、剣の稽古だ。 「っと、うーん。クリストフ様は剣の才能がありますよね。本格的に訓練を受けてはどうでしょうか」  素振り終わりの打ち合いをしてくれた騎士の言葉に、精一杯悪そうな笑みを浮かべてみる。 「それ、父に言うなよ。言ったらお前の部屋を水浸しにしてやる」  ドヤ、とふんすか脅した俺の背中から、クツクツとロイドが笑う声がする。 「なんだよロイド」     
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