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振り返り睨みあげると、ロイドは肩を竦めてそっぽを向いた。
「まあいい……おい、なぜお前まで笑っている!」
打ち合いをしてくれた騎士も肩を揺らし笑っているのに、声を荒らげる。
「いえいえ、水浸しにされたくはないので、報告はやめておきます」
「絶対だぞ。ロイド、行くぞ」
「はい、クリス様」
やっぱりこの女顔が悪いんだな。どうやっても迫力がない。目が釣り上がれば少しは……。
「無理ですから。目尻を押し上げても可愛いだけですよ」
「……お前も髪伸ばせ」
「お断りさせていただきます」
こいつ、最近遠慮がなくなってきやがったぞ。
水浴びをしてから着替え、食堂へ行く。
兄は学園を卒業したがそのまま上の学園へ行き、現在は統治の勉強をしているそうだ。
学園は三年制で、初年度は座学と魔術と戦闘の基礎を学び、現在姉が学んでいる二年生から選択科目で魔術と戦闘が分かれる。座学は変わらずある。
もちろん全ての授業を受けられるが、女子は戦闘の代わりにマナーを取るのが一般的らしい。
三年になると魔術は中級、戦闘は騎士の基礎が修了出来るようだ。
そこから婚約者のいる女子は家に戻り、男子や他の女子は上の学園へ行く。
文官、武官、魔術士と校舎が別れ、その中でもさらに細分化しているそうだ。
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