3073人が本棚に入れています
本棚に追加
/420ページ
輪廻の渦は透明だったが、時おり色のついた部分が出る。
管理者はそこをすくい上げ、そこら辺に投げ捨てていた。
俺はその投げ捨てられたものに近づき、掃除するように消したりしていた。
近づけば消えるのだから、とりあえず消す。
そんなことを繰り返しては、たまに管理者とどうするかと話したり、渦へ飛び込んでみたりしていた。
そしてある日、渦へ飛び込んだ俺は光に飲まれた。
遠くで管理者が、溶けずに廻ると記憶が、とか言ってた気がする。
次の瞬間には暗闇の中で、だけどそこは今までになく気持ちが良く、そしてとても満たされた気分になれた。
俺の意識は薄れていき、ようやく消えられることにただただ安堵したのだった。
0
最初のコメントを投稿しよう!