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あやふやな記憶
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三年間、俺は大事に大事に育てられた。
自我は曖昧で、兄や姉に比べると発育が悪かったらしく、相当心配されていたようだ。
たぶんだが、未発達な脳が俺の自我に耐え切れず、強制シャットダウンを繰り返していたのではないかと思う。
そう、俺は生まれ変わったはずなのに、俺のままの意識が残っていたのだ。
昔読んだ、前世の記憶を持ったままの生まれ変わりなのだろう。
それにしても、これは酷い。
前世の記憶を持ちつつも新たな人格と呼べるものが出来上がるのとは違い、完全に意識が継続されている。
前世で殺されたのが27歳。
管理者といたのがどれくらいの時かは分からないが、いい大人だったことは確かだ。
脳の強制シャットダウンには感謝しかない。
俺は赤ちゃんプレイなんて好きでもなんでもない。
そんな特殊な性癖はない、一般的な成人男性なのだから。
かけられる言葉の理解が遅く、舌が回らなくて上手く発音ができず苦労した。
今はなんとか絵本を読めるようになっている。
すぐに意識を失うので寝てばかりで、運動量の足りない身体はまだ2歳くらいに感じる。
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