シルバー自衛隊 ラストフライト

愛ちゃんのバースデーソング

少子高齢化が進む日本は自衛隊装備の機械化、ロボット化を推進していたのだが、条約の成立によって方針を転回せざるを得なくなった。そこで６５歳から７０歳までを兵役期間とする徴兵制度を導入し、６５０部隊、通称シルバー部隊を編成した。

国民は兵役の義務を果たしてはじめて、７０歳から年金の支給を受けることができる。徴兵を免除されるものは重篤な病を抱えている者か高額な徴兵免除金を支払う者だけだ。この徴兵制度導入によって危機に瀕していた年金制度及び健康保険制度は一気に改善し、国家財政は潤った。

自衛隊はシルバースーツを導入して高齢者が若者並みに戦闘行動に従事できるようにしたわけだが、高齢者が戦闘服を着ているというより、自立型汎用ロボットの骨格を高齢者の生身の身体に置き換えたようなものだった。