愛ちゃんのバースデーソング

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世界中の国々が排他政策を取ると、無秩序な軍備拡張が繰り広げられた。無線誘導やAIによる自立型の兵器が性能を高めて量産されると、世界に溢れた兵器は各地で安易な紛争を誘発し、多くの人間が権力や資源、国境をめぐって殺された。 軍事産業が潤っても社会が疲弊するのは何時の時代でも同じで、文明の危機が叫ばれるようになり、国連は20××年に軍縮会議を開き、無線操縦及びAIによる自立攻撃型兵器を禁止する‘無人兵器禁止条約’が提案された。 無人兵器禁止条約は科学力に優れた先進国に不利に見えたが、実際は人口の少ない小国に不利なものだ。米国、中国、ロシアなどの大国が積極的に支持したため、条約はスムーズに可決された。
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