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待ち合わせは葉書を取り扱っているギフトショップ。ちょっとしたカフェスペースがある。人前での再会に取り乱す事は許されなかった。
悔しい想い出を振り返っているはずなのだが、三枝の表情は何故か穏やかだ。
「話してみると意外と楽しかったわ。話題は豊富な方だし絵が好きな人だったから。でも何よりも」
「何よりも……?」
「彼女の話しを聞けるのが幸せで」
颯太は言葉を失った。
三枝は幸せそうに両手を胸に当てる。あの時もそうだった。どんなにか辛くてもせめて会えるのなら、彼女もそう言ったのだ。
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