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「三枝ほどの女性に、それだけ愛される彼女はもっと……幸せだったと思うよ」
颯太は今にも消え入りそうな声で彼女の想いを伝える。今にも涙がこみ上げそうな感覚に襲われながら。全身からあふれる切なさを振りほどきながら。
三枝は嬉しそうに颯太を見つめ微笑んだ後、少し俯き加減で言葉を続けた。
「その後は彼の通う絵画教室へ行くんだけど」
絵の話しの流れでそうなったのだろう。克哉の車に乗り込み絵画教室へと向かった。
駐車している間、外で少し待つように言われた三枝は慣れない景色の中でぽつりと待つ。大人しく、言われた通りに。
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