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「お守りはちゃんと、持ってるね?」
彼女のお守りは、その時のお気に入りの小説の目印となっている。
そっと、そのページをめくると颯太の名刺。
「こうしておけば、いつでも見えるでしょう?」
時折見せる少女のような笑み。彼が愛したのはいったい……。
痺れのように残る違和感を逃すように、颯太は三枝の頬に手を重ねる。
その手をすり抜けるように苦しい現実の中に戻っていく三枝。一刻も早く、颯太には少々の焦りが見えた。
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