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「彼女を汚すほど、私は苦しくて」
それは、治療の方法でもある。彼女はそれを知っていたのだろうか。
「僕は彼女じゃないし、プロだという事を忘れていないかい?」
颯太は三枝のパーツに指を滑らせる。喉元からゆるやかに、細く美しいあご先を通過し耳元へ。
「…………っ!」
やはり、ここだ。そしてそっとくちびるを寄せる。小さく名前を呼ぶと三枝は目を閉じた。
「みえを、愛しているんだ」
間違いなく、克哉はそう言ったはずなのだ。
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