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強迫性障害、特に不潔恐怖というあたりだろうか。ここに来た日の発作を思い返せば、いくらか症状は良くなってはいるのだが。
これまで数回行われたカウンセリングによると、その根はかなり深く、予測ではあるが幼少期からそれであった可能性が高い。
そうなると、気にかかるのは母親による育児の様子だ。あまりにも潔癖な親に育てられるとこうなる可能性はある。
「ごめんなさい。こうなってしまう自分が嫌で仕方がないのだけれど」
発作という苦しみの中にあっても、颯太を意識した発言。それはまた大人びていて彼の胸をひどく揺さぶる。
「次は完璧に、約束するよ」
そう言って彼女の髪を撫でた颯太。次のステップへと進むようだ。
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