第1章

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あたりを見渡せば荒涼とした砂漠、土は乾燥して固く、何よりも暑い。 山のような、砂丘のようなでっぱりからは偶に涼しい風が吹いてくるが、それだけではこの暑さは紛れない。 旅を始めて2ヶ月、俺達はそんな過酷な環境でもなんとかやっている。 そう、それが「命がけ」でも・・・だ。 「おーい、早くしないと明後日までには到着しないぞー!」 俺の名前は時宮 鳴(ときみや なる)旅を始めて2ヶ月の新米、性格は・・・まあ正義感が若干強く、思い立ったら直ぐ行動するタイプ、らしい。 「まってよ~、もう疲れた~・・・寝ていい?」 彼女はテスラ・リードナハール、いつもぼんやりしていて、その上怠惰・・・小さい頃はにーと志望・・・?だったそうだ、だがかなり頭は切れるほうで、彼女の思いつきで助かったことも多々ある。 「あほ、こんな所で寝てたら死ぬぞ、色々な意味で。」 「えぇ?ていうか次の街はぁ~?」 「さっき砂丘から見たが遠目に見えた、お前のペースに合わせなければ明日には着くんだがな・・・。」 「えぇ?私が悪いみたいじゃーん。」 「そう言ってるんだよ!」 思わずツッコミを入れてしまう、これが日常会話、2回に1回はこんな感じだ。 逆にまじめに話す機会の方が少ないんじゃないだろうか・・・? しかし、緊迫した状況というのは突然、兆候もなしに来るものだ。 それが、この砂漠では尚更・・・。 「っ!?鳴、来るよ!」 その一言に、マントの下に帯刀していた刀を抜き取る。 それに続いてテスラもアサルトライフルを構える。 そう、此処からが本当の日常、生活の一部分だ。
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