母のところで

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「ああぁ」 「なんでなん……」 「あぁっ……、なんで……」 焦りと落胆と、悲しみが入り混じった そんな声で、僕は目を覚ました。 気付くと、母がベッドの上で 身体をもじもじさせながら、涙を流している。 僕が「どうしたん?」と、たずねると 「服がうまく着られへんねん、なんでやろ なんで……」 そう言いながら、 必死にボタンを留めようとする母。
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