母のところで

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「大丈夫やって、僕がやったるから」 そう言って、 掛け違えたボタンを外そうとすると、 母は急に僕の手をつかみ 「やめて! あんたはええから、和子を呼んで」 と全力で僕をこばんだ。 「なんでやのん!  姉ちゃんは今日はいてへんから、僕がやるって!」 僕は、姉たちと年が離れた末っ子で、 皆に甘やかされ育てられた。 とりわけ、母からの愛情を受けてきた僕は、 自分が拒絶されたことに動揺し、 声を荒げてしまった。
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