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吸っても吸っても、喉の奥から溢れてくる血液。
咳き込む力も残っていないのか、
母は目を見開いたまま、じっと僕の顔を見ている。
僕が口の中の血液を必死に吸い出し、
母が喉の奥に残っていた血液をなんとか飲み込んで、
ようやく息ができるようになったその瞬間、
母は僕に向かって
「命は?」
と、問いかけた。
口はまたすぐに血で溢れ、
話せなくなった母が、
じっと僕を見つめ、答えを待っている。
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