母のところで

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おびえてしまった母。 それでも母は、 前合わせを両手で強く握りしめ、 僕をよせつけようとしなかった。 しかたなく僕は、 「じゃあ、今日はこのままおいといて、 明日、和子姉ちゃんにしてもらお」 と、母に毛布をかけ、寝かせることにした。 母は鼻をすすりながら、ぎゅっと目を閉じ、 怖い夢を見たあとの子供のように眠りについた。
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