第23話 光ある方へ

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 春元が美佳に質問するよりも先に、美佳はもう芝生に向かって歩き出していた。 「君は大丈夫ってことだな」  苦笑混じりに美佳の背中を見つめる春元だった。 「よし、それじゃ、スオウ君はイツカちゃんをおぶってくれ。玲子さんのことは君に任せたぞ」  春元がそれぞれにてきぱきと指示を飛ばしていく。 「スオウ君、お願い出来る?」  イツカが申し訳なさそうな表情を浮かべて、スオウの顔を見つめてきた。 「任せてくれよ。高校ではバスケ部に入っているんだぜ。体力にはそれなりの自信があるからさ」  スオウはイツカに背中を向けると、その場に片膝を付いた。 「それじゃ、乗るからね」  イツカがスオウの背中に乗る。スオウの背に重みとともに、人肌の温もりが広がっていく。 「大丈夫? 重くない?」 「大丈夫、大丈夫」 「あと……ゴメンね……」  背中のイツカが急にスオウにだけ聞こえる小さな声で謝ってきた。 「えっ? どうしたんだよ? おれは全然平気だから」 「ううん、そうじゃなくて……ほら、分かるでしょ? 私、胸……小さいから……」 「えっ? あっ、うん……その……」     
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