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ほんとですか、マジですか
人間は自分の許容量を超えると冷静になるようですね。
主税は他人事のように目の前の出来事を眺めていた。
「はじめましてー。クマちゃんの先輩。蝶子です。」
「ユキ。蝶子と同い年。」
「はじめまして。いの…クマちゃんと同期の…えっと、綾女です。」
SIDE Bの定例会。いつものクラブで、いつものメンバーと集っているのだが…クールなメガネ男子は大久保綾女である。ショートカットをワックスで整えれば中性的な雰囲気が漂い、妙な色気が滲み出ている。主税は綾女に見惚れてしまう。
(…ふわぁ…俺、死んだのかのかもしれない…)
「それにしても蝶子さんもユキさんも、クマちゃんも板についてますね。素敵!」
綾女はキラキラ輝く瞳で3人の女装を褒める。本心からの言葉だろう。
黒のタイトスカート姿の網タイツに包まれた主税の筋肉は今日もたくましい。綾女に褒められると嬉しくもいたたまれなかった。SIDE Bで自分を隠してしまいたいと初めて思った。
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