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もうひとりの娘、カリのことは、彼女自身が身を守る点について、信用できる。
水の宮として役目に就いてだいぶ経つし、扱う術の巧みさは知っている。
だが、サリの場合は…公の役目に就いたのはふた月前のことだし、まだまだ未熟だと思っていたのだ。
それでも遠征を反対しなかったのは、やはり公の職に就いてしまった以上、避けられない仕事だと思ったからだ。
「おまえも、気を付けなさい。力量があるとはいえ、まだ覚えるべき術はたくさんあるだろう?」
サリはサムナの目を見て頷いた。
「わたくし、頑張りますわ…!」
サリは、自分もミナを守れるようになりたいと思った。
ミナは力量がとても小さいと聞く。
助けてもらった分、いや、叶うことならそれ以上を返したい。
サムナはサリの決意の表情を見て微笑んだ。
まだ心配は心配だが、強くなりつつあるのだな、と思った。
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