ご案内

1/3
前へ
/63ページ
次へ

ご案内

ミーンミンミンミンミンミー。 蝉の声しか聞こえないような村へ着いた。 村の入口に、大きなジャリの駐車場があり、 そこに車を停めた。 日差しは強いが、山奥のせいか冷んやりとした空気だ。 「ふあー綺麗な空気だね。」 車を降りると、2人は伸びをした。 「疲れたじゃろう、お宿はここからすぐじゃ。」 老婆と運転手の中年の男の後を、 2人はキョロキョロしながら着いて行った。 畑、昔ながらの古い家が、いくつかある小さな集落だ。 その中でも一つ3階建の大きなお屋敷の様な場所があり、そこへと案内された。 「こちらがお宿じゃよ。後で村を簡単に案内するけ、それまで休むといい。部屋は2階じゃよ。」 腰の曲がった老婆が、2階の一番手前の部屋へと案内してくれた。 2階の部屋数はざっと6部屋、共同トイレがある。 1階は食堂、風呂、客の部屋はなさそうだ。 3階に上がる階段はハシゴ型の階段になっている。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加