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『ーあなたの声、うちの声楽部じゃ無理よ?退部して!』 『カエルみたい』 『絞め殺された鳥だろ?』 そして巻き起こる、嘲笑の渦ーー… 「呪いだ…」 自室のベッドで目覚めたみちるは、青ざめた顔でポツリと呟いた。 頭のすぐ脇に置いていたはずの、カエルとひよこのヌイグルミ。 その顔面に、一回転した自分の両足が、見事にヒットしていたからだ。 (ごっ…) 「ごめんねぇぇ!痛かったよねぇ」 踵落としを食らった歪みきった顔で、それでも笑みを絶やさずにいることがまた痛々しい。慌てて「彼ら」を抱き寄せる。 全く、自分でも呆れる程の寝相の悪さだ。 「花の女子高生だってのに…」 弱々しい声で独りごち、顔を上げる。 と、同時に神々しい輝きを放った真新しい制服が視界に飛び込んできて、みちるの目を奪った。 (…さすが新品!) こうして眺めては、何度口元を綻ばせた事だろう。 上品なチャコールグレーのブレザーに、チェックのスカート。首元にはブルーのリボン。自分のテンションを上げる、いま最高のアイテムだ。 …強いて言えば、リボンは他にピンクもあり、そっちを選びたかったのだが…似合わなかった。あくまで「あまり」だが。 (まぁ、想定内と言うべきか…)     
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